走行距離や年式の神話
日本において、車はなくてはならない商品となっています。各自動車メーカーは、数年に一度モデルチェンジをし、常に新しい車が世の中に出回るようにしています。少し曲がった見方をするなら、メーカー側が常に新しい車を売りたいという戦略なのかもしれません。一方で、ハイブリッドや水素、はたまた自動運転などに見られるように、車の技術は今でも終わる所を知らない進化を続けています。この技術を商品にフィードバックする意味でも、定期的なモデルチェンジは必要なのかもしれません。
モデルチェンジの副産物
常に新しい車がマーケットで販売されています。あなたがもし新車を買っても、もしかすると数か月でモデルチェンジが行われ、一瞬にして旧型車になってしまうかもしれません。以前は2年ごとにマイナーチェンジ、4年ごとにフルモデルチェンジというようなサイクルがありましたが、現在はそれほどキッチリと決められているわけでもないようですね。モデルチェンジは常に新しいデザインと新技術を搭載した車が手に入るというメリットがある反面、買った車がすぐに古くなってしまうという大きなデメリットがあります。型が古くても何ら問題はないはずなのですが、人間は常に新しいものを手に入れたい欲求がありますので、どうしても「新車で買った古いモデルの車」には若干の抵抗が付きまといます。
モデルチェンジはこのように、旧型車を産み出します。歴史を紐解くなら、22年間デザインの変更がなかった、三菱デボネアのような車もありますが、これは例外中の例外でしょう。どんどん新しい形へと変わっていく車は、モデルチェンジを受ける度に新しく生まれ変わる一方で、多くの旧型車を生み出しています。この事から、日本の中古車のマーケットでは、新車登録から車検3回、すなわち7年経過すると、一部の高級車を除いては、査定の基本価格が全くなくなってしまうという状況が生じています。10年落ちということは、査定の評価基準額がなくなってから更に一度車検を取り、一年経過した状態です。形が古い事もありますし、走行距離も伸びている事でしょう。このような状態の車が、果たして売れるのでしょうか。
ディーラーの下取りは0円
車の買取りが市民権を得て少しばかりの時間が経ちますが、車を買い替える際、買ったのと同じところに下取りに出す方は多いと思います。手続きを一ヶ所で済ますことができれば、売る側としても簡単ですし、新車を販売してもらったところなら、信頼も厚いでしょう。車の売買は個人情報を扱いますし、登録関係では名義変更や自動車税も絡んで来ますので、やはり安心できる所に出したいという気持ちはあると思います。
ディーラーの査定額は、機械的に決められています。先ほどお話した、製造から7年経過した車は、一部の高級車を除いて査定基準価格表に価格が表示されていません。そこから程度や距離などを鑑み、相場を読みながら価格を決めていきますが、ディーラーの場合は下取り査定額がかなり機械的になります。新車の初年度登録から10年以上経過した車は、車検の残に応じた加点がなされますが、査定額はよくても数千円のレベルです。下取りに出すなら、下取リ車手数料や査定料などが注文書に計上されるでしょうから、手数料と相殺でトントンといったところです。一部の例外があるので言いきれませんが、新車初年度登録から10年以上経過した車をディラーに下取りに出す場合、程度がいくらよくても、走行距離が例え1万キロでも、価格は同じ0円なのです。
ゼロ円の車はどこへ行く
ディーラーで0円と査定価格がついた車は、よっぽど程度の良いものを除いて、解体処分されます。ディーラーの敷地に解体屋さんが来て、自らのヤードに運んで行きます。3月末から4月上旬には混雑しますので、ディーラー側で持ち込むこともあるでしょう。大抵の車は自動車解体屋さんが鉄くずと部品にバラして処分となります。これがディーラが行う通常の処理です。この処理は、10年落ちの車に価値がないという大前提の元で行われます。
価値を見出す人達がいる
自動車ディーラーの下取り車の処理は、このように機械的です。自動車ディーラーは新車を販売することで利益を得ており、中古車はあくまでも新車販売のサポートという位置づけなのです。私は長い間日本で数本の指に入る規模のディーラーで、中古車の営業と中古車登録の書類を扱う仕事をしていました。新車販売の自動車ディーラーにおいて、中古車はあくまでもおまけ的な位置づけなのです。ディーラーにおいて中古車、新車の下取り車を扱う仕事は、基本的に、査定額を現金にする仕事だ、と私は教わりました。日本で5本の指に入るディーラーでそうだったのですから、今でもこのスタンスは変わっていないと思います。繰り返しますが、自動車ディーラーの利益は、新車販売にて確保されています。中古車販売に大きな日の目が当たることはありません。この事は言い換えるなら、中古車を扱い、血眼になって利益を上げて行こう、中古車を流通させて大きな商売をして行こう、という商魂の逞しさを、現場、この場合なら、あなたと向き合っている営業担当から奪い取っているのです。「決まりだから」「上司に怒られるから」「前例がないから」 というつまらない理由で、10年落ちの車に高額な査定が付くことはありません。
今までお話してきたのはディーラーでのお話です。一方で、全く違った見方で車を見る人達がいます。例えば走行距離にしてもそうです。10万キロ走行した車には難色を示す人がいる反面、何とも思わない人もいるのです。自動車ディーラーの営業が受ける査定の講習では、走行距離に応じた減点の仕方を教わります。これはすなわち、過走行車は価値が低い、という価値観を植え付けているに他なりません。確かにデリケートな市場では否定しませんが、私に言わせるなら、そんなのはひどすぎます。
あなたは職場まで、何を使って通われていますか？電車の方なら、車の走行距離に関して、デリケートなのではないでしょうか？一方で、毎日車で通勤する人達が、地方には沢山います。彼らの車は何キロ走行していると思いますか？うちの場合ですが、父の車は17万キロ、家族の車は10万キロ、私の車に至っては21万キロ走行しています。私の車などはつい先日、ウォオーターポンプが壊れましたが、修理して乗っています。私の住んでいる街では、10万キロ以上走行した中古車が平気で販売されています。毎日乗るものですから、この程度の距離は走っていて当たり前だという認識なのです。中古車市場においては走行距離は少ないに越したことはないとは思うのですが、2-3万キロの走行距離を崇拝する傾向は、業界の中と一部の電車通勤の方だけだと私は思っています。
車の処理方法は、ディーラーが行うような解体処理だけではありません。あなたもご存知だと思いますが、日本の車は性能がよく、壊れにくいという評価を世界から受けています。今はグローバルな時代です。皆様ご存知ないとは思いますが、オークション会場、特にトラックの会場には、沢山の外国人の方がいらっしゃいます。日本の車は、どのような状態であれ世界に持っていけば売れるのです。
あなたの車に高い値段を付けたいのであれば、あなたの車に対するニーズを幅広く募る必要があるでしょう。少し難しい言い回しになりましたが、今はインターネットが発達し、システムの整備も行われたことにより、簡単にオファーをすることができるようになっています。重要なポイントは、幅広く募る、という所です。日本にいる中古車屋さんの中で、あなたの車が欲しい、と強く思う人を徹底的に捜すのです。一人でも多くの人に見てもらうことで、高い値段が付く可能性が高くなります。
高額査定を引き出す方法
一度入力するだけで、複数の車買取業者にオファーする事ができる仕組みが整っています。この仕組みを一括査定サイトといいます。一括査定サイトの先にいるのは、きちんと審査を通った中古車買い取り業者ですからご安心下さい。10年落ちの車、ディーラーで査定が付かなかった車に高額査定を期待するのなら、一人でも多くの人にあなたの車の情報を伝えることが大切です。日本を代表する一括査定サイトを3つご紹介しますので、できれば全てで聞いてみて下さい。入力にかかる時間は3箇所合わせても10分と少しです。きちんとしたオファーの向こうに、高額査定が待っているかもしれません。是非とも3つに登録して、粘り強く交渉してみて下さい。専門のディーラーでは価格が決まっている車の価値を覆すのが最終目標ですから、そのためには若干面倒なこと、例えば問い合わせにきちんと受け答えをするなどの丁寧な対応が必要になるかもしれません。あなたの車に、大きな価値を見出してくれる人を粘り強く捜しましょう。数多くオファーを投げることが、高額査定を勝ち取る唯一の方法です。是非3つのサイト全てでチャレンジして下さい。
おすすめの一括査定サイト
大切な考え方
日本の車は世界の中から見ても壊れにくいことで有名です。日本のマーケットと世界のマーケットは根本的に違うことを理解しましょう。 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